あまつさえヘブン

思ったことをテキトーに

此処にいる意味のために / 3月のライオン(前編)

怒涛の実写化ブームには批判も多い昨今だけど、公開前から3月のライオンには期待しかなかった。後編も既に公開されてるので、観に行く前に前編の感想を!!

(多少ネタバレあるよ)

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映画「3月のライオン」公式サイト

 

良かったところ

◎納得すぎるキャスト陣

自分の好きなキャラたちが違和感なく動いてるなんて、原作ファンとしてこの上ない幸せ。公開前はどうでしょうと思っていた配役でも、観終わったあとは「正解でした!」と土下座できるくらい、1人もハマってない人がいなかった。

(強いて言えば、宗谷はもっともっともっと色素薄くて儚げな人が良かった)(かと言って加瀬亮より儚げな感じ出せる人が思いつくわけでもない)


◎可愛くて美しい香子、素晴らしい

気高く美しく危なげな香子と、抜群にキュートな有村架純ちゃん…いけるの?大丈夫??と、キャストが発表された時点では感じていました。しかし、不安もよそに、完全に合ってた。ありがとう。可愛いしセクシーでとても良い香子だった。ありがとう。

原作だと最初の方は強さや厭らしさばかりが目につく香子だけど、しっかり弱い部分も出ていたので、それこそ有村架純で良かったと思う。

 

◎川本家の安心感

原作における羽海野チカ独特のテンションは、人間ドラマ中心の映画ではほぼほぼ再現されておらず、川本家のシーンも大幅に削られている。でも、川本家が出て来た時の温かさはまさに原作のそれ。

アニメ版はウミノイズムなテンションをきっちり受け継いだ川本家だったのに対して、映画版はリアルな、現実にちゃんと存在している川本家だったのがすごく良くって感動した。

特に良かったのがニャーたち!フィーチャーされることもないけど、ごくごく自然に猫が生活に溶け込んでいて、「そう、これ、この感じが思い描いてた川本家!」って興奮した。

 

棋士たちの対局シーン

棋士陣は、特にハマり役が多かった。

多くの人が言っているように、佐々木蔵之介演じる島田と、伊藤英明演じる後藤の対局はそれはもう素晴らしかった。言葉は発さない、暴力もふるわない、男同士の静かなガチンコ勝負。原作を読んでいて誰しもが感じることの1つに「棋士ってかっこいいんだ」ってのがあると思うんだけど、映像を観てその感情がもっと強まった。

零と対局した人たちも文句のつけどころがなくて、甲本雅裕は器の小さいいや〜な男を見事に演じ切っていたし、奥野瑛太は見た目からして順慶そのものだった。最高。

 

◎ぼくりりの主題歌

私はエンドロールを観ながら(というか聴きながら)、映画の余韻に浸るのが大好きだ。それ故に、エンドロールの曲と映画の印象にズレがあると一気に萎える。

映画を観に行く前にCMで流れていた「Be Noble」を聴いている段階では、この曲3月のライオンっぽくないなと思っていたんだけど、エンドロールで流れたのを聴いた瞬間手のひらグルンした。確かに漫画やアニメの3月のライオンとの印象にはズレがあるけど、映画にはすごく合っていた。

前編ってこともあって、ハッピーエンドイェイ〜みたいな曲じゃないとこが良くて、焦燥や不安や孤独と一緒に生きてきたこれまでの零の姿が曲に反映されてるように感じた。まだ10代のぼくりりの才能計り知れなくない???最高。


ぼくのりりっくのぼうよみ - 「Be Noble(re-build)」(映画『3月のライオン』前編より) - YouTube

 

 悪かったところ

✖️セリフで説明しがち

原作ではモノローグをふんだんに使って心情描写がされているんだけど、映画だとそれが大分削られている。その分、登場人物のセリフの中で補完しているような部分を多く感じた。安っぽくていや!好きじゃない!と私は思ったんだけど、説明ゼリフが少なくて良いと感じている方も結構いらっしゃるようです。感じ方は人それぞれなのでなんとも言えないけど、私としてはもっともっと表情のお芝居だけで伝わったシーンがあったんじゃないかなと思う。

 

✖️原作読んでない人的にどうなの?

前・後編に分かれているものの、詰め込みすぎ。2時間そこらの映画にまとめるとなると、しょうがない部分ではあるのだろうけど…。私は原作を知っているので普通に観れたけど、初見の人からしたらうっすい人間ドラマに感じるんじゃないかな。

二階堂が零に「自分をもっと大事にしろ!」ってテレビを通して怒鳴ってくるシーンとか、急に怒り出したちょいウザデブ感強め。原作だと零との関係性が分かった上での愛あるお説教だから、感動したんだけど。しかも二階堂の初登場シーンも原作とは違っていて、ウザさ3割増しでしたし。

川本家とのシーンも削られまくりだったから、お盆に川で涙するひなちゃんを慰めるシーンも唐突に感じた。そんな仲良くなってましたっけ???

 

✖️謎語りかけ

零と島田の対局シーン。島田が急に零の心に語りかけて来る謎演出。漫画だと、島田の咳払いだけで零が全てを察するのに!静止画である漫画に対して映像で表現できる映画の方が、言葉で説明しちゃうってどうなの!!せっかく蔵之介がモロ島田なのだから、言葉がなくても伝わったと思うのに!!!これは、上で言ったことにも繋がるけど。

その直前の「やれやれ、やっとこっちを見たか。それじゃあ続けようか」のとこは、島田すぎて天晴!天晴れ蔵之介!

 

✖️謎ドラム
上記の悪かった点全部打ち消すくらいダントツでダメ。ダメキング。

将棋しかない人生で、将棋だけにすがって生きてきた零が、零に負けた対戦相手に嫌味を言われて、今まで抑えてきた感情全てを徐々に爆発させるシーン。

徐々に具合を表現したかったのかなんなのか、走り出す零の後ろで徐々に激しくなっていくドラムがドロドロドロッツターン!ターン!ってずっと鳴ってて、ちょっと赤面するぐらいやばかった。これ、自分の感情を滅多に表に出さない零が初めて言葉にして不満を叫ぶとっても大事な一幕なのに。

アニメ版のこのシーンが原作通りで良かった分、期待外れすぎて笑えた。神木くんの零再現度が高いだけに残念。変な演出なくても充分だった。

 

まとめ
漫画が原作ってだけで、ちょっと観るのが不安になってしまいがちな邦画。でも3月のライオンは、原作ファンも納得の出来だったのではないでしょうか??少なくともわたしは満足!
後編の見所はおそらく、宗谷と零の対局と、伊勢谷祐介演じる妻子捨男。川本家が前編より出て来ると思うのでそれが楽しみ。

5分で分かる!映画『3月のライオン』【闘いの前編】ダイジェスト - YouTube